飲食店での「待ち時間のクレーム」をWebゲームで削減した話
株式会社イオンファンタジーが展開する大型複合アミューズメント施設「Feedy Diner&Arcade」では、料理提供までの待ち時間に対する来場者の不満が課題となっていました。
株式会社BALANCeでは、この課題に対して、アプリ不要で遊べるWebゲームコンテンツを企画・開発。卓上POPのQRコードを読み取るだけで、来場者が待ち時間中に楽しめる仕組みを提供しました。
アプリのインストールが不要で遊べるWebゲームコンテンツは、スマートフォンから気軽に参加でき、施設利用時の待ち時間を楽しい体験へ変えられます。混雑時のストレス軽減や満足度向上に役立つだけでなく、施設テーマに合わせたデザインにより、ゲーム体験と施設ブランドの一体感も高められます。
本案件を担当した株式会社BALANCe 代表取締役 藤井宗一郎へのインタビューをもとに、取り組みの内容や開発のポイント、導入効果などを紹介します。
待ち時間をエンタメ体験に変えるFeedyのシステム開発事例とは
まず、今回開発したWebゲームの概要を教えてください

引用元:イオンファンタジー 公式サイト
「Feedy Diner&Arcade(フィーディー・ダイナー・アンド・アーケード)」は、株式会社イオンファンタジーが展開する、アメリカンダイナーをモチーフにした空間デザインと、最新のアミューズメント機器を組み合わせた大型複合アミューズメント施設です。2024年11月21日にイオンモール茨木で全国初出店し、その後、香川県のイオンモール綾川に2号店が展開されています。
「Feedy」という名称には、SNSのタイムライン”Feed”のように新しい刺激やコンテンツに彩られた場所、思わずSNSで共有したくなる体験が生まれる遊び場という意味が込められています。今回、私たちはFeedyの来店者が待ち時間を感じにくくするために、簡単に遊べるWebゲームコンテンツの開発を担当しました。
卓上に設置されたPOPのQRコードを読み取るだけで、来店者は自分のスマートフォンからすぐにゲームにアクセスできます。アプリのインストールは不要で、注文後の待ち時間をエンタメ体験に変える仕組みを構築しました。
ゲームのテーマは、Feedyの世界観である「アメリカンダイナー(ウエスタン風)」と、看板メニューである「ポテト食べ放題」を組み合わせた独自のコンテンツです。単なる暇つぶしではなく、店舗のブランド体験と一体化した設計になっています。
課題を解決できるゲームコンテンツの企画方法とは
Feedyはどのような課題を抱えていたのですか?
Feedyでは、ホットドッグやピザ、ポテトなどの料理を提供しています。そのなかで、料理提供までの待ち時間が長く、来店者からクレームが発生している点が課題でした。
特にポテトを含む料理は調理に時間がかかるため、注文から提供まで一定の待ち時間が発生します。その結果、来店者の不満につながり、現場スタッフの対応負荷も大きくなっていたのです。
初回のご相談では「クレームをどうにかしたい」という大枠のテーマのみいただいており、具体的な解決策までは定まっていない段階でした。そこから、課題の整理から企画提案を含めて提案を進めていきました。
その課題に対し、どのような解決方法を企画提案したのですか?
BALANCeでは、単にWebゲームを開発するだけでなく、施設の課題整理、体験設計、ゲーム企画、デザイン、開発、導入後の運用まで一気通貫で支援しています。今回も「クレームを減らしたい」という相談に対して、待ち時間の体験価値を高めるという視点から企画を設計しました。
ご相談の内容を整理し、課題解決のために複数の企画を検討した上で、最終的に2つの企画を提案しています。実際に提案した企画がこちらの2案です。
1案目(採用案):ウエスタン×ポテトをテーマにしたゲーム
Feedyの店舗の世界観であるアメリカンダイナー(ウエスタン風)と、看板メニューの「ポテト食べ放題」という特徴を掛け合わせたゲームコンテンツを企画しました。
今回の企画では、来店者が注文後の待ち時間にすぐ遊べることを重視しました。そのため、アプリのインストールや会員登録は不要とし、卓上POPのQRコードを読み取るだけでゲームを開始できる設計にしています。
ユーザーが自分のスマートフォンから簡単にストレスなく遊べるよう、Webブラウザ上で動作する軽量なゲームを目指しています。ゲームを遊ぶ際のハードルを下げ、幅広い年齢層が気軽に体験できるようにしました。
さらに、施設テーマに合わせたデザインにしたり、既存のイメージキャラクターをゲームに登場させたりすることで、ブランド体験との一体感を演出しました。店舗の雰囲気と自然につながり、ブランド体験を強化できる点が評価され採用に至りました。
2案目:料理提供を体験するゲーム

来店者自身が料理人となり「早く料理を提供する」ことを目指すゲームです。友人や家族と協力&競争しながら料理を完成させます。
Feedyのメニューを題材に、楽しくメニューの認知を広げられる設計を目指しました。チームプレイや対戦要素で、待ち時間でもゲームに夢中になれる体験を提供します。ユーザーに遊びながらメニュー内容を知ってもらい、Feedyメニューの魅力を訴求できるようなゲームにしています。
待ち時間中の来店者の心理を活かした企画でしたが、最終的にはブランド体験との一体感を重視し、ウエスタン案が採用されました。
課題解決にゲームコンテンツを活用することのメリットを教えてください

待ち時間の問題に対する一般的なアプローチは「待ち時間そのものを短くする」ことです。しかし、調理時間や席の回転率には物理的な限界があり、根本的な解決は容易ではありません。
ゲームコンテンツを活用したアプローチの本質は、待ち時間の長さを変えずに、来店者の負担感や退屈さを軽減することにあります。待ち時間の削減ができない場合でもゲームコンテンツを活用することで、クレームの発生を抑えられるのです。
クレームの減少以外にも、ゲームコンテンツの活用はさまざまな場面でメリットがあります。ゲームコンテンツ活用によるメリットの一例には以下のようなものがあります。
クレームの発生自体を抑制できる:待ち時間が「退屈な時間」から「楽しい時間」に変わることで、不満が生まれにくい状態をつくれます
現場スタッフの対応負荷を軽減:クレーム対応に割かれていた現場の時間を、本来の接客業務に振り向けられます
ブランド体験の強化:店舗テーマに沿ったゲームにすることで、ブランドコンセプトを伝える機会になります
SNSで拡散される仕組みづくり:ユニークな体験はシェアされやすく、自然な口コミ獲得につながります
ゲームの内容はどのように考えて企画したのですか?
企画立案の起点は「Feedyというサービスの特徴を、いかにゲームに落とし込むか」でした。
まず、Feedyの強みを洗い出すところからスタートしました。出てきたキーワードは「ポテト食べ放題」「価格の安さ」「アメリカンダイナーの世界観」など、競合と比べて際立っている特徴です。
そこから、「ポテト食べ放題」という商品特性と「ウエスタン」という世界観を組み合わせることで、Feedyでしか体験できない、店舗にいる時間と地続きのゲーム体験を設計しました。
ゲーム単体の面白さだけを追求するのではなく、「その店だからこそ成立する企画」になっているかを判断軸にした点が、採用につながったポイントです。
ゲームコンテンツを企画する際のポイントはなんですか?

ゲームコンテンツを企画する際には、これらのポイントを意識しています。
ユーザー属性に合わせた設計
来店者の属性や、その場でどんな心理状態にあるかを想定したうえで企画しています。
例えば、待ち時間が発生しやすい飲食店では、来店者が退屈を感じにくいよう、メニューの魅力を伝えるクイズや、注文前の期待感を高めるミニゲームを取り入れる方法があります。
課題の本質を捉え直す
「待ち時間を短くする」ではなく「待つ時間を楽しい体験に変える」のように、クライアントが抱える課題を一段引いて捉え直すことで、新しい解決ルートが見えてきます。
一般的なアプローチに引きずられず、別軸からの解決策を提示することが課題に合った成果につながると考えています。
サービスの特徴・優位性を起点にする
汎用的なゲームではなく、そのサービスならではの特徴や競合に対する優位性を企画の中心にすることが重要です。
今回のように「ポテト食べ放題」「アメリカンダイナー」といった独自要素を組み込むことで、ゲームを通してサービスの魅力そのものが伝わる仕組みになります。
Feedyにゲームコンテンツを導入したことによる効果を教えてください
実際にFeedyへゲームコンテンツを導入した結果、以下のような効果が得られました。
クレーム件数の減少:待ち時間中の不満が軽減され、現場へのクレームが減少
現場スタッフの対応負荷の軽減:クレーム対応にかかる時間を減らし、本来の接客に集中しやすい環境を整備
サービス内容の理解促進:ゲーム体験を通じた、ポテト食べ放題やFeedyの世界観への理解促進
SNSシェアによる拡散:ユニークな体験を自発的にシェアする来店者の発生と、認知拡大への貢献
ポイントは、当初の課題だった「クレーム解消」だけでなく、サービス内容がより深く伝わる仕組みまで実現できたことです。マイナスをゼロにするだけでなく、プラスの価値まで生み出せた事例となりました。
ゲームコンテンツ導入のメリットと流れとは?
ゲームコンテンツの導入はどのような場合に効果的ですか?
ゲームコンテンツの導入が特に効果を発揮するのは、以下のようなケースです。
行列・待ち時間が発生している場所
飲食店の料理提供待ち、人気店の入店待ち、施設のトイレ行列、アトラクション待ちなど、「待つこと」がボトルネックになっている場面では、ゲームコンテンツによる体験価値の転換が有効です。
サイゼリヤの間違い探しのように、待ち時間を能動的に楽しむ仕掛けは多くの業態に応用できます。
サービスや施設の魅力が伝わりきっていない場合
例えば遊園地や観光施設のように、目玉となる施設や遊具があっても、それが来訪前に十分伝わっていないケースに効果的です。
事前にコンテンツを通じて魅力を伝えたり、デジタルスタンプラリーで周遊を促したりすることで、体験価値を最大化できます。来場者の属性に合わせて複数のコンテンツを用意できる点も強みです。
商品やメニューへの理解を深めたい場合
ゲームを通じてメニューや商品の特徴を自然に伝えることで、購買意欲や商品理解が高まります。
例えば、食材や素材を組み合わせて商品を完成させるゲームにすれば、遊びながら商品の特徴やこだわりに触れてもらえます。説明書きやPOPでは伝わりにくい情報も、ゲーム体験を通せば記憶に残りやすくなるでしょう。
ゲームコンテンツの導入はどのようなプロセスで進みますか?

ゲームコンテンツを導入したい場合の事前情報
ゲームコンテンツ企画から導入・運用は、以下のようなプロセスで進みます。
- 制作期間
企画内容や規模によりますが、ヒアリング・企画提案から開発完了まで、おおむね3〜4ヶ月が目安です。ゲームの仕様やデザインの作り込み度合いによって変動します。 - 費用感
企画・デザイン・開発を一気通貫で行う場合、初回の制作費用は300〜400万円以上が目安です。ゲームの内容や演出のリッチ度によって変動します。 - 長期運用と2回目以降の費用について
一度開発したゲームは長期的な運用が可能です。基本システムを流用しながら、季節や販促キャンペーンに合わせてテーマやビジュアルを変更する形で展開できるため、2回目以降は比較的費用を抑えて実施できるケースが多くなります。
クライアント側の対応負荷
【制作時】
初回ヒアリングと、企画・デザイン段階での確認・フィードバックが中心になります。素材提供などの一部協力をいただきますが、企画立案そのものは私たちが主導するため、クライアント側のリソース負担は最小限に抑えられます。
【運用時】
Web上で完結するゲームのため、店舗側で特別な機器設置や日々のオペレーションは不要です。卓上POPの設置のみで運用が始められ、現場スタッフの運用負荷はほぼ発生しません。
まとめ
今回の事例からわかるのは、利用者にとって負担になりやすい待ち時間も、施設体験の一部として設計することで、体験価値へと転換できるということです。
特に、手軽に遊べる仕組みと施設テーマに合わせたゲームコンテンツは、利用者のストレス軽減とブランド体験の向上につなげられます。
待ち時間対策や来場者満足度の向上を図りたい企業にとって、今回のケースはWebゲームコンテンツの企画と導入効果を考える上で参考になる事例といえるでしょう。
BALANCeでは、課題解決に役立つゲームコンテンツの企画から開発、導入まで一気通貫で支援しています。ゲームコンテンツという選択肢に興味がある方や、どのような役立てるのかについて興味がある方はぜひ一度こちらからご相談ください。
弊社では業務効率化やマーケティングを考慮したシステム開発も対応可能!お見積もりやご提案はもちろん無料です。ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。
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