教育用VRコンテンツとはどんなもの?ICT教育のメリットや事例を紹介
近年では、教育業界においてもVRコンテンツの活用が進んでいます。
ICT教育やEDTECHなどの用語も徐々に一般化しており、将来的にはVRコンテンツによる学習が当たり前となる時代が来るでしょう。
また、VR教育は学校教育の現場だけではなく、さまざまな企業の現場においても導入されています。
この記事では、教育業界におけるVRの活用方法やICT教育の学習効率、導入事例について紹介します。
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この記事でわかること
ICT教育とは
ICT教育とは、パソコンやタブレット端末、電子黒板などの最先端技術を駆使した教育手法です。
具体的な方法としては、デジタル教科書を活用したり、電子黒板やプロジェクターを利用して図形を立体的に表示したりと、さまざまな方法で学校教育に導入されています。
VRを活用した教育コンテンツの台頭
ICT教育は多くの教育現場で取り入れられていますが、なかでもVRを活用した教育コンテンツの導入は世界的に増加しています。
アメリカでは、2016年ごろから政府が教育現場におけるVR活用に注目しており、多くの企業・団体を対象にした助成金を交付しています。
世界的IT企業のGoogleも教育向けVRツアーアプリ「Expeditions(現在の「Google Arts & Culture」)をリリースしたのも同時期です。
現在では世界中の学校教育現場で導入が進められています。
また、台湾ではすでに公立の教育現場でVRが積極的に導入されています。
台湾企業が開発した教育系VRプラットフォームは、台北にある名門進学校から地方にある商業高校に至るまで、幅広い施設で導入されています。
VR教育は本当に効果的なのか
目の前に非現実的な空間を創造して、よりリアルに表現できるVRは、学習に対する興味関心や意欲を引き出す効果が期待されています。
また、仮想空間ではあらゆる環境を再現できることから、実践的な学習ができる点も注目されています。
たとえば防災訓練のように、現実につくりだすのが難しい状況でも、VRを活用することによってリアルなイメージとともに体験できます。
そのため、これまで安全面やコストの問題から導入できなかった体験学習を提供できるメリットもあります。
一方、VRによる体験学習は仮想空間上のものであることから、理解を深めるには教育側がサポートする必要性もあります。
さらに、VR酔いをしてしまう子どもへの配慮をはじめ、長時間の使用を避けるなどの工夫も求められます。
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ICT教育とあわせておさえたい関連用語
ICT教育が普及した背景には、STEAM教育やEdTechなどの概念があります。いずれもICT教育を考えるうえではおさえておくべき関連用語です。
以下では、それぞれの用語について解説します。
STEAM教育
STEAM教育は、今後のIT社会に適応するうえで、数学的・化学的思考と創造力をあわせもった人材を育てるための教育理念です。
STEAMは、以下の5つの頭文字をとったものです。
- Science(科学)
- Technology(技術)
- Engineering(工学)
- Arts(リベラルアーツ)
- Mathematics(数学)
EdTech
EdTech(エドテック)とは、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語です。
教育現場においてテクノロジーを活用することで、新しい変革をもたらすビジネス・サービスを指しています。
教育業界におけるVR市場規模
グローバルインフォメーションの調査によると、教育分野におけるVR市場は、2021年から2026年にかけて年平均42.5%で成長すると予想されています。
日本においても新型コロナウイルスの流行にともない、オンライン授業を取り入れる学校が増加しました。
さらに、全国の小中学校に一人一台の端末導入が決定しており、2021年時点で95%近くの小中学校で実際にデジタル学習が導入されています。
コロナ禍におけるデジタルシフトなどを踏まえると、教育業界におけるVR市場はさらなる成長が見込まれるでしょう。
教育にVRコンテンツを導入するメリット
前述のとおり、教育業界におけるVRコンテンツの導入は今後もさらに進むとみられています。しかし、VR教育には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下では、教育にVRコンテンツを導入するメリットについて解説します。
教室で校外学習ができる
社会科見学をはじめとする校外学習は、これまでも教育現場で行われていました。
しかし、引率にかかるリソース負担や安全面の確保などの懸念点から、校外学習の回数や頻度を増やすのは難しい状況でした。
一方、VRコンテンツによる体験学習であれば、場所や時間を問わず、教室内で校外学習を実施できます。
また、世界遺産や宇宙空間をはじめ、実際に訪れるのが難しい場所の疑似体験も可能になります。
そのため、より幅広い学習体験を子どもたちに提供できるでしょう。
学習に対するモチベーションを高められる
教室で行われる座学は、教師から生徒に一方的に伝える授業が多く、生徒が受動的になりやすいという課題もあります。
一方、VRコンテンツを用いた体験学習では、生徒がみずから視点を動かして、能動的に学習する環境を生み出せます。
また、VR授業を受けた生徒にアンケート調査を実施したところ、9割以上の生徒が「また同じような内容があれば受講したい」と回答しました。
双方向的な学習の実現によって、生徒たちのモチベーションを高めやすい点は、VR授業の大きなメリットであるといえるでしょう。
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教育にVRコンテンツを導入するデメリット
教育にVRコンテンツを導入することで多くのメリットがある一方、次のようなデメリットも指摘されています。
- VR機器の導入にかかるコスト
- リアルな刺激の不足
以下では、それぞれのデメリットについて解説します。
VR機器の導入にコストがかかる
VRコンテンツを再生するには、VRゴーグルなどの専用デバイスが必要です。
クラス全員が同時に体験を行う場合、人数分のデバイスを用意する必要があり、導入費用は決して安くありません。
また、DVDやブルーレイなどの映像をそのままVR化できるわけではなく、専用の試聴コンテンツも用意しなければいけません。
ただし、政府がICT教育を推進していることもあり、VR機器の導入にあたっては補助金が利用できるケースもあります。
補助金を活用すれば導入コストを抑えられるほか、一度導入したデバイスは中長期的に利用できるため、前向きに検討してみるとよいでしょう。
リアルな刺激を受けられない
VR教育は仮想空間でリアルな体験ができるとはいえ、実際の体験とは異なります。
視覚の点ではリアルに近いクオリティを体験できますが、視覚以外の感覚や雰囲気などは再現できません。
また、研修先まで移動する道のりなども含めて、体験型学習のうちの一つと考えるのであれば、リアルの方が子どもたちの記憶に残りやすいともいえるでしょう。
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教育業界のVR活用事例
近年、教育業界におけるVRコンテンツの導入が加速しています。
しかし、具体的にはどのような形で導入されているのでしょうか。
以下では、学校におけるVRの活用事例について紹介します。
豊田市立浄水中学校
豊田市立浄水中学校では、地理の授業の一環として、VRを活用した授業を実施しています。
授業の内容は、各国の特徴的な建物や風景についてのVR動画を閲覧して、映っていたのがどこの国かを答えるものです。
自分なりの根拠を立てて、複数人で議論しつつ回答を考えるグループワーク形式となっており、ディスカッションの練習としての側面もあります。
VR映像を通してまるで現地を訪れたかのような体験ができるため、地図帳や写真を眺めるより各国の特徴が記憶に残りやすい点も特徴です。
武蔵野大学附属高等学院
武蔵野大学付附属千代田高等学院では、地層の構造や地震メカニズムの学習を目的として、VRを活用した授業を実施しました。
授業の内容は、地層の構造をモデル化して、プレート単位で観察できるVRコンテンツを使って学ぶというものです。
地層は実際に見ることができないため、教科書だけではイメージしづらい部分もありますが、3Dモデルにすることで細かな構造を視覚的に理解できます。
渋谷区立笹塚中学校
渋谷区立笹塚中学校では、体験学習前の事前準備として、VR授業を導入しています。
具体的には、田植え体験の事前準備としてVR上で田植えの練習をするというものです。
体験学習の限られた時間内では十分な体験が得られない場合に、VR学習で事前・事後の補助を担うことも可能です。
和歌山大学教育学部附属中学校
和歌山大学教育学部附属中学校では、ICT教育主任の設置や生徒全員へのiPad導入をはじめ、先端学習への投資に力を入れています。
VR学習においても、県内の地層をドローンで撮影して独自に制作したコンテンツを活用しており、VRゴーグルとコントローラーで観察できます。
ドローンを用いて撮影しているため、海からでないと見えない場所なども観察でき、実際の体験学習よりも多くの情報を得られる点が強みです。
Bronx Latin School
ニューヨークにあるBronx Latin Schoolでは、社会科の授業でVRゴーグルを活用した見学旅行プログラムを実施しています。
Googleが提供する教育用VRツアーアプリ「Google Arts & Culture」を活用して、世界中の名所を体験するというものです。
YouTube上では、Google Arts & Cultureを使って楽しそうに学習する子どもたちの様子も公開されています。
ワンダーラボ
EdTech分野のスタートアップ企業「ワンダーラボ」は、2022年4月にVR教育ゲーム「The Wonder of Numbers and Sounds」をリリースしました。
ゲームの内容としては、算数の基礎である四則演算をVRで体を動かしながら学習できるコンテンツです。
ゲーム内では、制限時間内に計算問題をクリアするモードなどが実装されており、VR空間の没入感とエンタメ性の高いコンテンツで学習意欲を高められます。
とくに算数が苦手な生徒にとっては、学習に興味をもつきっかけにもなるでしょう。
フローレンス
NPO法人の「フローレンス」は、中高生向けの学習用VRコンテンツを開発しました。
コンテンツの内容は、子育て家庭が抱える課題を仮想空間上で体験できるもので、将来設計のきっかけづくりを目的としています。
みずからも家庭の一員としてリアルな体験学習ができるため、当事者意識をもって学べる点が特徴的です。
企業研修でも導入されているVR教育の事例
VRコンテンツと教育の相性は非常によく、学校教育の現場以外でもVR教育は行われています。
以下では、学校以外の現場で導入されているVR教育の事例について紹介します。
【医療】外科研修医のトレーニング
これまで外科の研修やトレーニングでは、献体を使って行われていました。
しかし、外科医を志す人の数に比べて献体数が不足しており、十分な実践練習を積めないことが課題となっていました。
そこで導入されたのがVRを活用したトレーニングです。
実際の手術の様子を再現したり、精巧に作られた3DCGモデルをもとにシミュレーションしたりと、より実践的な技術を習得できるように設計されています。
新しい技術であるVRを活用することで、医療業界における長年の課題を解決しています。
【接客業】クレーム対応トレーニング
VRコンテンツは、百貨店や飲食店におけるクレーム対応の研修にも活用されています。クレーム対応は、店舗や店員のレベルが問われる場面であるうえ、場数を踏んでいないと対処が難しいケースも少なくありません。
とくに接客業においては、人材不足が深刻な問題となっており、VR研修によって教育リソースの負担を軽減する効果も期待されています。
【製造業】作業現場での仮想訓練
危険をともなう作業現場で働くうえでは、疑似的な研修が必須であるため、VRを活用した仮想訓練が導入されています。
VRを活用すれば、仮想空間のなかで実践的なトレーニングができるほか、たとえ失敗したとしても現場に影響を及ぼすことはありません。
また、実務を担当している社員にVR研修を受けてもらい、仮想空間内での視点を録画しておけば、模範的な視点の動きを学習できる教材としても活用可能です。
教育業界のVR制作はBALANCeにお任せください
政府がICTを活用した教育を推進していることから、今後はより一層VRを活用した教育コンテンツが増えていくと予想されます。
また、VRは教育現場だけでなく、企業研修やトレーニングなどにも活用可能です。
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