オウンドメディアの構築方法を解説！作り方や費用相場、運用方法についても解説

オウンドメディアの運用は、企業やサービスをユーザーにアピールするために効果的な施策です。ユーザーが自然とメディアにたどり着き、商品を知ることになるため、営業や広告以外からのリード獲得が可能になります。

オウンドメディアを構築したいと考えていても、構築方法や必要な準備がわからないという方もいるのではないでしょうか？

この記事では、オウンドメディアの構築方法や構築の際に必要な準備、費用感について解説します。オウンドメディアの構築について知りたい方は、ぜひこれらを確認したうえで効果的に構築を進めてはいかがでしょうか。

オウンドメディアとは

オウンドメディアとは、自社が運営しているメディアのことを指します。自社が運営しているため、制作したコンテンツを自由に公開でき、ユーザーに情報を届けられます。

オウンドメディアを運用することで、自社のサービスのターゲットユーザーにアプローチでき、サービスの販売につながることが大きなメリットです。そして、オウンドメディアを運営する目的は商品の販売だけでなく、企業のブランディングや求職者の確保など、非常に多岐にわたります。

また、企業が情報発信を行うメディアには、オウンドメディア以外にも以下のようなメディアがあります。

メディアの種類	特徴	例
オウンドメディア	自社が保有するメディアに情報を掲載する	自社サイト コラム ブログ
ペイドメディア	広告費を支払って掲載するメディア	テレビ 雑誌 Webメディア
アーンドメディア	SNSや掲示板などを活用して情報を発信する	X(Twitter) instagram YouTube TikTok

オウンドメディアを構築する際に検討すること

実際にオウンドメディアの構築を行う際には、構築を始める前に決めておくべきことがいくつかあります。

事前準備を行わずに構築を進めてしまうと、オウンドメディアを効果的に活用できないだけでなく、また1から構築をしなければならなくなる可能性があります。

ここでは、オウンドメディアを構築する際に決めておくべきことについて解説していきます。

オウンドメディアを運用する目的

まずは、オウンドメディアを運用する目的について決めておきましょう。

商品を販売したいのか、求職者を集めたいのか、自社のブランディングを行いたいのかなどの目的によって、オウンドメディアのコンセプトや掲載するコンテンツの方向性は大きく変わります。

オウンドメディアを運用する目的は、オウンドメディアの企画、構築、運用のどの段階でも重要となります。何のためにオウンドメディアを構築するのかについては必ず明確にしておきましょう。

オウンドメディアのターゲット

オウンドメディアのターゲットについても事前に明確化しておきましょう。このターゲットは、目的から逆算して考えるとよいでしょう。

例えば、商品の販売が目的であれば、その商品を届けたいユーザーをターゲットに設定し、求職者からの応募獲得が目的であれば、応募してほしい人のペルソナを設定するとよいでしょう。

オウンドメディアのデザインやコンテンツはターゲットユーザーの興味や思考をもとに考えることが多いです。そのため、どのようなユーザーにアプローチしたいのかが明確にされていなければ、メディアのデザインやコンテンツは効果的に制作できないでしょう。

オウンドメディアのコンセプト

オウンドメディアのターゲットが明確になった際にはオウンドメディアのコンセプトを考えます。メディアのコンセプトを作ることで、そのメディアのあり方や目指す方向性を定義できます。

コンセプトは、ターゲットユーザーにとってわかりやすく、親しみやすいものにするとよいでしょう。ターゲットユーザーに刺さるコンセプトであれば、そのオウンドメディアに興味を持ってくれる可能性が高まるためです。

オウンドメディアの構築・運用方法

オウンドメディアの方向性が決まったら、オウンドメディアの構築方法と運用方法を検討しましょう。構築と運用についてはそれぞれ以下を意味します。

• 構築：オウンドメディアを開発、リリースすること
• 運用：オウンドメディアのコンテンツの制作を行うこと

具体的な構築方法については後に解説しますが、メディアを開発、運用する際には、「内製」するか「外注」するかを選ぶ必要があります。ここからは、それぞれの特徴とメリット、デメリットを解説します。

内製と外注の特性を理解し、それぞれを組み合わせて構築と運用を進めることがおすすめです。

内製のメリット・デメリット

内製とは、自社の人員で制作を行うことを指します。内製する際には自社で雇用しているエンジニアやマーケター、ディレクター、ライターなどがメディアの構築、コンテンツの制作を行います。内製する際のメリット、デメリットは以下の通りです。

内製のメリット

内製をすることのメリットとしては、委託費用がかからないことが挙げられます。自社で雇用している人員の人件費のみとなるため、外注するよりも費用が安くなることが多いでしょう。

また、対応を自社内で完結できるため、意思決定をスムーズに進められることも大きなメリットです。スピード感を持って制作を進めたい場合は内製がおすすめです。

内製のデメリット

内製のデメリットとしては、社内にノウハウがたまっていない場合には成果が出ない可能性があることです。

オウンドメディアの構築や運用には様々な専門知識が必要となります。また、その知識はメディアを公開するための開発に関する知識から、コンテンツを制作してユーザーに情報を届けるためのマーケティング知識まで幅広いものとなります。

また、オウンドメディアはコンテンツを公開するだけではなく、公開したコンテンツを通して目的を達成することが重要です。オウンドメディアで成果を出すためのノウハウが社内にたまっていない場合には内製は選択しない方がよいでしょう。

外注のメリット・デメリット

外注とは、社外の人員で制作を行うことを指します。社外の制作会社や編集プロダクション、業務委託契約者などがメディアの構築、コンテンツの制作を行います。

外注するメリットとデメリットについては以下の通りです。

外注のメリット

外注のメリットは、技術力に制限がないためイメージ通りのオウンドメディアを制作できることです。その際には、実績のある制作会社を選ぶことが重要です。

オウンドメディアの制作と運用を専門で行っている会社のため、コンテンツを通して成果が出るパターンや注意点などのノウハウもたまっています。

そのため、確実に結果につなげたい場合はオウンドメディアの開発やコンテンツの制作を外注するとよいでしょう。

外注のデメリット

外注のデメリットは、内製するよりも費用がかかってしまうことが挙げられます。特に、こだわったデザインのメディア制作やオリジナリティの高いコンテンツの制作を行いたい場合に費用が高くなります。

また、社外の関係者との調整が必要になるため、意思決定のスピードが落ちてしまうこともデメリットの一つです。

外注する際には全てを外注するのではなく、一部の業務を外注するという方法がおすすめです。特定のコンテンツの制作や、自社で対応できない箇所の対応などを社外に委託することで、全体の品質を向上させながら費用を抑えられます。

オウンドメディアの構築方法

オウンドメディアを構築、運用するための準備が整ったら、実際にオウンドメディアの構築を行います。ここからは、実際にオウンドメディアを構築する際の流れについて解説していきます。

ドメインを取得する

オウンドメディアを構築するためには、ドメインの設定が必要です。ドメインとは、Web上における住所のようなものです。オウンドメディア名と同一名のドメインを取得することが一般的です。ただし、自社で既に持っているドメインの配下にオウンドメディアを構築する場合は、新規でドメインを取得する必要はありません。

また、事業と関連性のあるオウンドメディアを運用する場合は、その事業のコーポレートサイトやサービスサイトのサブディレクトリに構築することがおすすめです。現在運用しているサイトのドメイン評価を引き継げるため、SEO上有利な状態でオウンドメディアの運用を開始できます。

サーバーを構築する

オウンドメディアを運営していくためには、そのデータを保管するためのサーバーを用意する必要があります。サーバーの環境はページの表示速度や受け入れられる同時接続数などに影響します。そのため、求める表示速度や予想されるアクセス数に応じたサーバーを用意するとよいでしょう。

サーバーの整備方法としては、主に以下の3つがあります。

• 自社専用サーバー：自社でサーバーを購入して設置する
• クラウド型サーバー：ネットワーク上でサーバーを構築する
• 共有サーバー：管理会社のサーバーを借りて使用する

オウンドメディアを構築する際は、一般的に「共有サーバー」か「クラウド型サーバー」が活用されます。

CMSを導入する

CMSとは「コンテンツマネジメントシステム」の略で、オウンドメディアで公開するコンテンツを管理するためのシステムです。

本来、コンテンツを公開するためには、HTMLやCSSなどに関する知識が必要です。しかし、CMSを使用することで、そのような専門知識を持たない担当者でも簡単にコンテンツを編集できます。

無料で利用できるCMSとしてはWordPressが有名ですが、他にも採用に特化したCMSや独自で開発したCMSなど、様々な種類があります。

オウンドメディアを構築する際は基本的には無料のCMSで十分ですが、CMSの種類を知っておくことで、選択肢が広がるでしょう。ここからは、CMSの種類とその特徴について解説します。

CMSを構築する際の費用についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

無料CMS

無料CMSは費用がかからないため気軽に使用できます。多くのオウンドメディアには無料CMSが導入されています。無料ながら多くのデザインテンプレートや拡張機能が用意されており、カスタマイズしやすいことが特徴です。

しかし、基本となるソースコードがインターネット上に公開されていることもあるため、セキュリティリスクには注意が必要です。また、ある程度の知識と技術力が無ければイメージ通りにはカスタマイズできないというデメリットもあります。

有料CMS

有料CMSは無料CMSと比べ、知識や技術が無くても自由にサイトを作れるような機能やテンプレートが充実しています。また、その業界や機能に業界に特化したCMSも多くあります。

例えば、採用サイトに特化したCMSでは、募集を簡単に作る機能や、応募者を管理する機能、募集を様々な人材システムに連携する機能などがあります。

有料にはなりますが、提供している会社からサポートを受けられる場合も多いです。求める機能が明確な場合やサポートが必要な場合は、有料CMSを選択するのもよいでしょう。

独自CMS

独自CMSとは、その名の通り独自で制作したCMSのことを指します。その企業に合わせて独自のCMSを制作するため、自社が欲しい機能を入れられます。システムの中身やセキュリティなどにこだわりたい場合などに独自CMSが制作されます。

ただし、費用が高額になるためオウンドメディアに独自CMSが使用されるケースは少ないです。オウンドメディアの場合、無料CMSか有料CMSを活用し、運用に予算を使用する方がメリットは大きいでしょう。

サイトデザインを制作する

サーバーやドメイン、CMSの用意が完了したらオウンドメディアのデザインを制作します。トップページだけでなく、記事ページ、固定ページなどのデザインを行います。

サイトのデザインは、ターゲットユーザーやメディアのコンセプトを考えながら進めるとよいでしょう。例えば、ターゲットユーザーが20代の場合と60代の場合では、メディアの色使いや文字の大きさ、ロゴのデザインなどが大きく異なります。

オウンドメディアは数年に渡る期間軸でコンテンツを運用するメディアになるため、サイトのデザインにはこだわるとよいでしょう。

オウンドメディアを開発して公開する

サイトのデザインが完了したら、実際にオウンドメディアを開発して公開します。

オウンドメディアの開発を行う際には、SEO対策ができているかどうかが重要となります。サイト設計や使用しているタグとその内容などを公開前に必ず社内でチェックしておきましょう。

また、公開前にはリンク遷移や表示にバグがないかの確認も必要です。コンテンツの見え方やイメージがわかりやすいように既にコンテンツが入っている状態にしておくとよいでしょう。問題なければオウンドメディアを公開します。

オウンドメディアを運用する

公開後にはオウンドメディアを運用する段階に入ります。オウンドメディアを公開することも重要ですが、目的を達成するためには運用の段階が非常に重要です。

オウンドメディアの結果が出ないパターンのほとんどは、コンテンツの企画や制作が続かないことにあるためです。どれだけよいコンテンツを発信していても、コンテンツを定期的に公開できなければ、ユーザーには届きません。

制作が止まらずに進むような体制と予算を事前に確保しておくことが重要です。

オウンドメディア構築にかかる費用相場

これまでは、オウンドメディアの作り方や構築の流れについて解説してきました。それでは、実際にオウンドメディアを作る際には、どの程度の予算を用意すればよいのでしょうか。

ここからは、オウンドメディアの構築にかかる費用相場をそれぞれの段階に分けてご紹介します。

サーバー代

サーバー代の相場としては、月額数千円～数万円となります。

サーバーを利用するための費用は、使用するサーバーの容量や規模によって金額が変化します。サーバーの容量が大きければ大きいほど金額は高くなります。また、サーバーは毎月維持する必要があるため、毎月の支払いが必要です。

ドメイン費用

ドメインを取得する費用は、その文字列の人気によって変わりますが、無料～数千円程度になるでしょう。また、すでに持っているドメインの配下にオウンドメディアを構築する場合は新規でドメインを取得する必要がないため無料です。

SEOに有利な中古ドメインの場合、金額が数十万円となることもあります。

開発費用

オウンドメディアの開発費用については、オウンドメディアを内製するか外注するかで大きく異なります。ここでは内製する場合と外注する場合に分けてご紹介します。

内製の場合

内製の場合にかかる費用は、オウンドメディアを開発するために必要な人件費のみとなります。制作会社には依頼しないため、追加での委託費用はかかりません。

また、デザインや機能にこだわらない場合は、CMSのテンプレートを利用することで、開発の知識がない人でもオウンドメディアを制作できます。開発の費用を抑えたい場合は、テンプレートを活用するとよいでしょう。

外注の場合

オウンドメディアを新規で開発する場合、制作会社に開発を依頼することが一般的です。費用はシンプルなデザインのオウンドメディアで数十万円、デザインや機能にこだわる場合は300万円以上かかることもあります。

採用や企業のブランディングを目的としてオウンドメディアを制作する際は、特にデザインにこだわる必要があるでしょう。サイトのデザインは企業の印象を左右する大きな要素となります。採用やブランディングは企業に対する印象が重要となるため、サイトのデザインが重要といえます。

コストをかけるメリットとデメリットを確認しながら、独自性のあるオウンドメディアを制作することをおすすめします。

オウンドメディア運用費用

オウンドメディアは制作、公開して完了なのではなく、そこからの運用が非常に重要です。そして、コンテンツの企画、制作、編集といった運用のために毎月費用がかかります。

ここでは、オウンドメディアの運用費用について内製と外注に分けてご紹介します。

内製の場合

全て内製する場合のメディア運営費用は社員の人件費のみです。メディアの立ち上げ当初は担当社員が1名となることや、別の業務を行いながら片手間で運営することも多いでしょう。

オウンドメディアの運営には、以下のようなスキルが必要となります。

• メディアを成長させるためのマーケティングスキル
• 良いコンテンツを制作するためのライティングスキル

これらを全て一人で実施し、成果を出すことの難易度は高いです。また、これらをできる人材を揃えた場合、ある程度の費用は掛かってしまいます。

そのため、一部外注を活用しながらメディア運営を進めて行くことをおすすめします。

外注の場合

オウンドメディアを立ち上げた際には、以下2つのどちらか、もしくは両方を外注することが一般的です。

• オウンドメディア運営の戦略策定
• コンテンツの制作

それぞれの特徴と費用相場についてご紹介します。

オウンドメディア運営の戦略策定

オウンドメディア運営のノウハウが社内にたまっていない場合には、運営の戦略策定を外注するとよいでしょう。戦略策定や分析を外注する場合には、月額15万円～の費用がかかります。運営のコンサルを受けるなかで、社内にノウハウをためていくことがおすすめです。

コンテンツの制作

オウンドメディアでは毎月コンテンツを制作して公開する必要があります。コンテンツの制作には、ライターに依頼することがおすすめです。

コンテンツの構成作成やライティングなどに特化して経験を積んでいるため、社員が制作するよりも良いコンテンツができあがる場合が多いです。

記事作成を外注する場合は、文字単価での報酬支払いとなることが一般的です。例えば、5000文字のコンテンツで文字単価が4円の場合は2万円の支払いとなります。

一般的なライターでは文字単価は1円程度、専門的なプロのライターでは文字単価が6円程度になる場合もあります。

また、記事発注が初めての場合は、ライターとの個別契約ではなく、編集プロダクションと呼ばれる記事制作会社との契約を行うと安心でしょう。

制作会社を選ぶ際のポイント

オウンドメディアを構築する際には、開発を依頼する制作会社を探すことも多いでしょう。オウンドメディアの開発には、SEO対策やコンテンツ管理などの知識も重要となります。ここからは、オウンドメディアの構築を依頼する制作会社を選ぶ際のポイントを解説します。

オウンドメディア構築の経験があるかどうか

まずは、オウンドメディア構築の経験があるかどうかについて確認しましょう。特に機能やデザインにこだわって制作したい場合は、作りたいイメージを具現化できるかどうかが重要となります。

オウンドメディア経験の経験については、その会社が過去に制作したメディアの事例を確認するとよいでしょう。Webサイトに制作事例が無い場合も、問い合わせると事例を確認できることがあります。まずは制作事例の確認を行うとよいでしょう。

弊社では、様々なオウンドメディアの構築経験があります。事例の共有も可能ですので、ぜひこちらからお気軽にご相談ください。

デザイン力があるか

メディアのデザインにこだわりたい場合は、デザイン力のある会社を選ぶとよいでしょう。企業のブランディングや採用を目的に制作する場合には特にデザインが重要となります。

ターゲットユーザーにとって魅力的なデザインを考えて制作できる会社かどうかを過去実績から確認するとよいでしょう。

SEO知識が豊富かどうか

その会社にSEO知識があるかどうかを確認しましょう。

オウンドメディアは初期設計が非常に重要です。メディアを開発する際にどのような情報を反映するかでオウンドメディアの成果や運用のしやすさが変わってきます。

社内にSEOのノウハウがたまっていない場合は、その点についてもサポートしながら進めてくれる制作会社を選ぶとよいでしょう。

メディア運用までサポートしてくれるか

メディアの開発を行う際には、メディアの初期設計を行い、運用することでの結果を確認したうえで進めることが重要です。また、メディアの開発だけでなく、戦略設計やコンテンツの制作、分析などをサポートしてくれる制作会社だと安心できるでしょう。

オウンドメディアの初期設計から構築、運用までを全てサポートできる制作会社に依頼すると成果を上げやすいだけでなく、スピード感を持って運用を進められます。

弊社では、戦略策定から構築、運用までを一気通貫して対応可能です。オウンドメディアの立ち上げを検討している方はぜひこちらからお気軽にご相談ください。

オウンドメディアの構築はBALANCeにご相談ください

この記事では、オウンドメディアの構築方法について解説しました。オウンドメディアの構築を考えている方や、実際に制作依頼を進めていく方はぜひ参考にしてください。

弊社では、デザイン性のあるオウンドメディアの制作やメディア構築後の運用支援まで行っています。オウンドメディア構築を検討している方はぜひこちらからお気軽にご相談ください。